日間賀島風雲記

その壱

京都駅中央口 その夜は寝つきが悪く、確か最後に時計を見たのは
午前2時半であった。

目が覚めると降っていた雨はぴたりとやんでいた。
ベランダに出ると、沈丁花の香が漂う。
その少し肌を刺すひやりとした空気は
何かを期待させるに十分すぎた。

2月23日朝、8時過ぎの京都駅。
半過ぎの電車に乗る予定だった、
そう一通のメールが来るまでは。

「今バスに乗りました」

と同時にもう一通、メールがきた。

「少し遅れます・・・」

二人もか。
まあいい。旅なんてこんなものだ。
5人でゆく、 河豚(ふぐ) 旅行。
時間はたっぷりあるんだ。
仕事なんて無い。

しかし、これがこの波乱に満ちた旅の始まりの暗示だと
その時、誰が気付くことができたというのだろうか。


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